あわよくば

腐女子でオタクのアニメ語りと日常

ネタメモ18

沖斎

 斎藤は物静かで、色恋には疎いと思われている。奥手ではないが、色恋をあまり好んでいなさそうだ。実際、島原には行かない。他の幹部に言われていやいや行く感じだ。

 斎藤が欲しているのは惚れた腫れたではなく、愛情だ。親愛や友愛の情だ。恋愛的な愛情は要らない。ただ、愛して欲しかった。

 いつ死ぬかわからない運命。悲しませるようなことはしない。だから、恋人は作らない。

 新選組も、斎藤にとっては大事な同胞だ。だからと言って、押し付けがましく愛情が欲しいとは言わない。彼らにも、好いた者はいるのだ。

 愛情が欲しくて、たまらない。愛されたくて、たまらない。

 それは我儘だ。なにが斎藤を駆り立てるのかわからないが、とにかく欲しかった。

「ねえ、一くん。僕が――愛情をあげるよ」

 だから、沖田が本質を突いたのは驚いた。

 何故知っているのか、と問う。沖田は言う。

「僕も、そうだから。愛情が欲しくて欲しくてたまらないんだ。人を斬っても、治まらない」

 だからさ。

「同衾しようか?」

「俺は、同衾を求めていない。ただ寄り添うだけでいいのだ。性欲を伴う愛情は、要らない。親愛の愛情を欲している」

 沖田は、性欲を伴い。

 斎藤は、性欲を伴わない。

 ほんの少しの違い。