ネタメモ11
ザンスク
誰かが言っていた。
――俺達は人殺しだ。
怒鳴っているのか、悲しんでいるのか、わからないけれど、一人の男が言っていた。
――人殺しだと。
イタリアにある、ヴァリアーの城では、今日も幹部が楽しんでいる真っ最中だった。ベルがナイフを投擲したり。スクアーロが怒ったり。それらをザンザスが眺めていたり。なんてことない――日常だった。一般人にとっては血生臭くても、暗殺者の彼らにとっては、日常茶飯事だ。
ひとしきり遊んだ後、スクアーロは仕事に出かけた。暗殺の仕事だ。挨拶なんて、馴れ馴れしいことはしない。――ヴァリアーだから。例え殺す殺されたの世界でも、簡単には死なない。勝手に死んでどうする。ヴァリアーに入ったからには、簡単に死ぬことは許されない。――生きろ。かつてザンザスはそう言った。
スクアーロは反対勢力のマフィアを暗殺しに行った。他の幹部はまだ遊んでいる。
「ちっ、楽しくねーの。王子についてけるのはスクアーロ位なのに」
ベルはナイフを回収する。そのとき、どこからか爆発音がした。
「……敵か」
ザンザスは、低く問う。確認したところ、敵の姿はない。ただ――爆発しただけ。爆発場所は、城の敷地内。そして、気になることが一つ。
「カス鮫はどこだ。無線機は常につけているだろ」
「それが、壊れているのか、応答しないの」
こんなときに。敵襲があったときは、必ず連絡しなくてはいけない。しかもあの斬り込み隊長と。剣帝スペルビ・スクアーロと連絡がつかない!
ザンザスは舌打ちをする。ボスであるが故に、軽率な行動は取れない。ベルに指示を出して、スクアーロを捜し出すよう言った。
暫くして、スクアーロは見付かった。スクアーロは――。